私は静かに目を閉じ、これまでの女装サロンラビリンスでの出来事を思い返した。初めて訪れたときの緊張と戸惑い、自由の部屋で選んだドレス、無限の回廊で見つけた無数の可能性。それらすべてが、私自身の中に深く刻み込まれていることを感じた。
「私が求めていたのは、本当の私を見つけることだった。」
そう呟いた瞬間、周囲に漂っていた映像が一つに集まり、美しい光の球体となった。それはまるで私の心そのものを表現しているようだった。
「涼、あなたが女装サロンで得たものは、外見だけではなく心の美しさなのよ。」
沙羅様の言葉に背中を押されるようにして、私は光の球体に手を伸ばした。