「あなたはよくここまで来たわね。」
沙羅様の声が響き渡る。私が「無限の回廊」を通り抜けた先にあったのは、これまで見たことのない壮大な空間だった。女装サロンラビリンスの最奥部に位置するというこの場所は、「真実の中庭」と名付けられていた。
そこには、これまでの女装サロンでの体験がすべて映し出されたような光景が広がっていた。美しいドレスを纏った影、鏡に映る自分自身、そしてそこで交わした無数の対話。それらがまるで映像のように私の周囲を漂っている。
「ここが女装サロンラビリンスの最終試練の地です。」
沙羅様はそう言うと、私の前に立ち、厳かな表情で続けた。
「これからあなたがすることは、女装サロンラビリンスでの全ての経験を一つの形にまとめること。そして、それを新しい自分として世に示すことです。」