女装サロンラビリンスで過ごす時間が、僕の心に自信をもたらしていた。けれど、女装サロンの外、社会に目を向けると、状況は一筋縄ではいかないことも多かった。外での生活、特に仕事での葛藤が次第に増してきた。
職場での周囲の目が気になるようになった。以前はただの「遊び」だと思っていた女装も、今や僕の一部として定着してきていた。だが、同僚たちはそんな僕にどう接していいのか、未だに戸惑っている様子だ。
ある日、ランチタイムに同僚の一人、佐藤さんに声をかけられた。
「ねえ、最近ちょっと気になってたんだけど、あんた……週末、女装してるって本当?」
その質問に、僕は少し驚きつつも答えた。
「うん、そうだよ。女装サロンラビリンスっていう場所でね。」
佐藤さんはしばらく黙っていた後、少し遠慮がちな声で言った。
「なんだか、最初はびっくりしたけど、あんたが自分を大事にしてるって感じるようになったよ。応援してるよ。」
その言葉に、僕は思わず胸が熱くなった。女装サロンラビリンスで育まれた自分への自信が、少しずつ周囲にも伝わっているのだと感じた瞬間だった。社会の中でも、少しずつ自分の「女装」を受け入れ、認めてくれる人が増えてきたことに、心からの安堵を覚えた。