「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第15話~」

震える指でスマホを操作した。

「はい、こちらラーメン工場田無です!出前のご注文ですね?」

や、やべえ。間違えてラーメン屋に掛けちまったよ。気まずくて何も言わずに通話終了ボタンを押した。いけないことだとは分かっているけれど。

でも、この間違い電話のお陰で少しだけ緊張がほぐれて、今度はしっかり電話できた。

「あ、あのー。友人の紹介で来たのですが、今コール田無前にいます。どうすればいいですか?」

「えっと、和子さんのお友達の方ですか?お待ちしておりました。では、場所を案内しますね」

俺は案内にしたがって歩いた。
サロンにはすぐに到着した。

「初めまして。白雪いづみです」

「どうも。カズちゃん・・・いや、和子さんの友達の北村拓海です」

「北村さんですね。よろしくお願いしますね。ささ、上がってくださいね」

めっちゃ緊張している。これから化粧してもらうかと思うとドキドキが止まらないんだ。