「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第21話~」

俺はいづみさんに写真を撮ってもらった。何だかアイドルにでもなった気分だ。写真を撮られるのって何か照れ臭いけれど、楽しいんだなって思った。

「うん、その表情!いい!いただきました!美喜さん、いい!」

自然と笑顔になるし、知らず知らずのうちに女性的なポーズをとっていたりした。また、女性的なポーズをとると見えない何かから解放されたような気分になった。

俺はもはや誰にどう見られようとどうでもいいと考えていた。でも、知らず知らずのうちに『男として生きること』への重圧を感じていたんだろう。

「さ、たくさんいい写真が撮れたよ。後でPCのメルアドとか聞いていいかな?よく撮れてる写真をチョイスして送りますから」

「ありがとうございます。あの、また来てもいいですか?この解放感がたまらないんです」

「はい、是非是非!いつでもいいんだけど、土曜日だと比較的予約取りやすいかな。土日休みの方だと、土曜日に女装した方が女装の余韻に浸れそうだしね。ちなみに和子さんは頻繁に来てるよ。間違いなくうちの一番の常連さんね」

何だよカズちゃん、仕事サボってラビリンスに入り浸ってるのか。
でも、そんなカズちゃんの気持ち、今ならわかる気がする。