「100分の1の女装~第3話~」

お店に行くと男性が出迎えてくれた。「いらっしゃいませ」あれ?女性っぽい声だなぁ。「あれ?男性ですよね?」するとその男性は「いえいえ私は男装ですよ」と宝塚風の口調で自己紹介した「えーっ?」衝撃的で一瞬時間が止まったようだった。一体、この空間はどうなっているのだろう!?

その後、服を着替えている途中フッと「それにしてもさっきのスタッフさんどこか聞き覚えのある声だな。」と思った。

「着替え終りました。」と言うと先程のスタッフが様子を見に来てくれた。「おっ!いいじゃん。それ可愛いよ。」壁ドンをしながら言われたものだから凄くドキドキした。本当にこの空間はどうなっているのだろう!?

メイクをしてもらいながらお互い女装に入ったきっかけ男装に入ったきっかけを話していた。だが、変身する以前の話を聞いていてピンッ と来た。

「間違ってたらごめんなさい。君もしかして片桐さん?片桐純子さん?」

「えっ?なんで私の本名知ってんの?」

「やっぱり!僕だよ僕!早乙女だよ!早乙女京だよ?」

「えっ?お前早乙女?ありゃりゃ。」

僕と片桐純子は中学生の時どうしても馬が合わなかった。

片桐が右と言えば僕は左、僕が右と言えば片桐は左。お互い真逆なのだ。

だが、なぜかその日は会話も弾みとても楽しい時間を過ごせた。

「片桐さん今日はありがとう。なんか久しぶりに友達にも会えたし打ち明けれたっていうのがなんかすごく嬉しかった。」

「そうか。それはよかった。また遊びに来なよ。俺がまたメイクしてやるから。」

「うん。また遊びに来るね。」