「天男天女(てんなんてんにょ)④」
なぜか自然とギャル言葉になった。「もっとまつ毛カールさせれない?」
普段の僕はもっと丁寧な口調で話す。だけど今の僕は梨恵が喋ってるようだった。
僕は梨恵になることで梨恵の気持ちを理解出来たような気がした。
勢いがついてる自分は外出をしてみた。そもそもインドアな僕が変身して外出なんて考えられなかった。
なんて楽しいんだろう。ものすごくハイになった。プリクラを撮ったり、洋服を見に行ったり楽しくてたまらなかった。
あっという間に時間がすぎ。メイクを落とすといつもの大人しい自分がそこにいた。
「今日はありがとうございました・・・。楽しかったです・・・。」
月と太陽のような違いだ。