沙羅に連れられて、私はさらに奥へと進んだ。そこは「迷宮」と呼ぶにふさわしい複雑な構造で、部屋ごとに異なるテーマが設定されていた。「妖精の庭園」「吸血鬼の館」「サーカスの夢」…。どの部屋も非現実的で美しく、私はその世界観に飲み込まれた。

「ここは単なる女装サロンではないわ。女装サロンラビリンスは、人の心の深淵を映し出す場所。あなたの中に眠る欲望や恐れを探りなさい。」

沙羅の言葉に促され、私は「仮面の部屋」という場所に入った。そこには様々な仮面が並んでいたが、鏡に映る自分の顔には見覚えのない仮面が浮かび上がっていた。

「これは…何なんだ?」

「それがあなた自身の真実よ。」

沙羅はそう言い、私の肩にそっと手を置いた。