奏の明るい性格に、涼は少しずつ緊張が解けていった。女装サロンラビリンスで偶然知り合った二人は、メイクを終えた後、サロンの奥にあるカフェスペースで話をすることになった。
「涼さんも、女装って最近始めたの?」
「うん、まだ慣れていなくて…。でも、なんだか心が軽くなる気がするんだ。」
奏は大きく頷きながら、共感を示した。
「わかるわ! 私も、ここに来て初めて自分を自由に表現できる気がしたの。」
二人は、お互いの女装体験を語り合い、次第に打ち解けていった。奏の明るさと気遣いに、涼は自然と笑顔になり、久しぶりに心から楽しい時間を過ごした。
その日以来、涼と奏は女装サロンラビリンスで会うたびに言葉を交わすようになり、次第に親しい友人となっていった。