涼と奏は、カフェスペースでその新たな挑戦者を見守っていたが、葵がスタッフに導かれて隣のテーブルに座ったことで、自然と会話が始まった。
「こんにちは、僕は涼。こっちは奏です。初めての女装って、緊張するよね。」
涼が声をかけると、葵は少し驚いた様子を見せたが、すぐに微笑んで答えた。
「こんにちは。はい、少し緊張してるけど、なんだかこの場所は居心地がいいですね。」
奏も明るい声で続けた。
「わかるわ、その気持ち。女装サロンラビリンスって、ただのサロンじゃなくて、不思議と安心できる場所なのよ。」
葵は二人の話に耳を傾けながら、自分がこの場所に来た理由を語り始めた。
「実は、昔から自分の中にある『女性らしさ』をどう扱えばいいのかわからなくて…。でも、ここに来れば何か答えが見つかるんじゃないかと思ったんです。」
その言葉に、涼と奏は深く共感し、自然と葵との会話が弾んでいった。