最初に教えられたのは、スキンケアから始まるメイクの基礎だった。肌を整え、ファンデーションを均一に塗る工程は、まるで自分の顔がキャンバスに変わっていくような感覚だった。
「よろしいですね。それでは次に、アイメイクです。」
スタッフの指示に従い、アイライナーやアイシャドウを使って目元を強調する。鏡の中の自分の顔は、徐々に日常の自分とは違う、華やかなものへと変貌していった。
「素晴らしいですよ。この調子で進めば、すぐにこの迷宮のルールを理解できるでしょう。」
迷宮――スタッフはそう表現した。確かに、この女装サロンラビリンスはただのサロンではなく、何か秘密めいた場所のように感じられた。
さらにドレス選びの時間が始まった。数え切れないほどのドレスの中から、私は赤いシルクのドレスを選んだ。それを身に纏うと、鏡の中の自分は見違えるように美しくなった。
「どうです?これが女装サロンラビリンスの力です。」
スタッフの言葉に、私は少しだけ誇らしい気持ちを抱いた。