女装サロンラビリンスでの新たな挑戦が始まった。これまでの経験が自分を変えたのは間違いないが、さらに奥深くに進むことで、自分でも知らなかった欲望や感情が浮き彫りになるのを感じていた。

「本日は、新たなテーマをご用意しております。」

案内された部屋の名前は「鏡の回廊」。無数の鏡が迷路のように並び、どこを向いても自分の姿が映る空間だ。その中で、スタッフが微笑みながら説明を始めた。

「ここでは、あなたがどう見られているか、そしてどう見られたいかを徹底的に探求していただきます。女装サロンラビリンスでは、女装を通じて新しい自分を発見するのが目的ですからね。」

鏡越しに映る自分は確かに美しく変わった。しかし、その顔の奥には、まだどこかぎこちなさが残っているように感じた。

「沙羅様はこう言いました。『自分の理想を明確にしなさい』と。」

その言葉に、私は背筋を伸ばした。ここで見つけるべきは、自分がどんな人間になりたいのか。その問いが重くのしかかる。