「ここが『仮面舞踏の間』です。」
スタッフに案内された部屋は、まるで異世界だった。壁一面に無数の仮面が飾られ、中央には広い舞台が広がっている。舞台上には煌びやかな衣装を纏った他の来訪者たちが踊っていた。
「この部屋では、仮面をつけることで普段とは違う自分になりきるのです。女装サロンラビリンスの中でも特に重要なステージです。」
私はスタッフから渡された仮面を手に取った。それは黒と金で彩られた精巧なデザインの仮面で、不思議な力を感じさせた。
仮面をつけ、舞台に立つと、まるで自分が別の人間になったような感覚が湧き上がった。他の参加者たちと踊りながら、私は自分の中にある様々な感情が解き放たれていくのを感じた。
「ここでは何者にでもなれる。それが女装サロンラビリンスの醍醐味だ。」
踊りながらふと目を向けると、観客席に沙羅様の姿があった。彼女は微笑みながら私を見つめていた。その視線に、私はもっと自分を解放しなければならないと感じた。